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住居侵入・建造物侵入

住居権者の意思に反して他人の住居に侵入すると住居侵入罪、管理権者の意思に反して建造物に侵入すると建造物侵入罪が成立します。

住居は、他人が居住している一戸建ての住宅、マンションの一室等です。

建造物は、役所や警察署などの官公署の庁舎、銀行、学校、スーパーマーケット等です。

住居侵入罪、建造物侵入罪の刑罰は、懲役3年以下または10万円以下の罰金です。

住居侵入・建造物侵入事件発生からの流れ

送検・勾留まで

住居侵入罪や建造物侵入罪の典型的な事例は、盗みの目的で、他人の住居や会社事務所に侵入する場合です。

例えば、会社事務所に侵入し、金品を盗んだ場合、建造物侵入罪だけでなく、窃盗罪も成立するように、住居侵入罪または建造物侵入罪は、他の犯罪を達成するための手段となっていることが多いです。

他の犯罪目的が無く、住居侵入罪や建造物罪だけ成立する場合もあります。

例えば、マンションの隣の部屋の玄関ドアが開いていて、少々酔っていた勢いもあり、隣の部屋の中はどうなっているのだろうという好奇心から、隣の部屋に侵入してしまったというケースです。

侵入された隣の部屋の家主は、突然の侵入者に驚き、声をあげます。

侵入者は、我に返り、自室に戻りますが、隣の家主が警察を呼び、侵入者は逮捕されます。

このような場合は、犯罪目的で侵入しているわけではないので、住居侵入罪のみ成立するでしょう。

住居侵入罪または建造物侵入罪で逮捕された場合、警察は必要な捜査を終えた後、事件を送検します。

逮捕から送検までは、最長48時間の時間制限があります。

送検されると検察は24時間以内に勾留が必要かどうかを判断し、必要とした場合裁判官に勾留請求を出します。

必要なしとした場合釈放されます。

裁判官は勾留要件を満たしているかを検討し、勾留決定か釈放を判断します。

勾留されてしまうと、逮捕に引き続き10日、場合によっては20日の身柄拘束が続いてしまいます。

そのため、できる限り勾留されないようにする弁護活動を検察官や裁判官に対して行います。

住居侵入罪や建造物侵入罪は、侵入した経緯、態様、目的が千差万別であり、勾留されてしまうかは、具体的な事案によりけりです。

事案によっては、弁護士が適切な弁護活動をすることによって、勾留を防ぐことは十分に可能ですので、ぜひご相談ください。

起訴から裁判まで

住居侵入罪や建造物侵入罪は、事案によっては、不起訴となったり、略式裁判となったり、正式裁判にはならないで終わることも多いです。

住居侵入罪または建造物侵入罪において、処分を軽くするには、被害者と示談することが重要となります。

被害者と示談をするためには、弁護士の関与が無ければ困難なケースが多く、また、適切な形で示談するためにも、専門家である弁護士にご相談ください。

被害者と示談の有無にかかわらず、前科や事件の内容等によっては、正式裁判で起訴されることもあります。

勾留されたままで起訴されると、勾留状態が続きますが、保釈請求も可能です。

保釈とは保釈金を収めることを条件として、一定の制限はあるものの、身柄の拘束を解かれる制度です。

保釈請求を行うと、裁判官が検察官の意見も聞いた上で許否を決定します。

保釈金は裁判手続の終了後、返還されます。

もし、保釈中に、裁判に出廷しない、証拠隠滅行為をするなど裁判官が定めた保釈の条件に違反した場合、保釈金は没取される可能性があります。

裁判が行われると裁判官により、有罪・無罪が検討され、有罪であれば量刑も言い渡されます。

執行猶予が付くこともあり、猶予期間内に執行猶予が取り消されなければ、言い渡し自体が無かったことになります。

起訴後は罰金刑、執行猶予付きの懲役刑の獲得など、刑務所に入らずに済むための弁護活動が主となります。

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