『控訴審』で弁護士をお探しなら【弁護士法人心 名古屋法律事務所】

刑事事件サポート

刑事事件について、事務所によって、新たなご相談の対応状況が異なります。
詳しくは、こちらをご覧ください。

控訴審

控訴審について

第1審判決で実刑となってしまった、第1審の弁護人が十分な活動をしてくれなかった、判決自体にそこまで不服があるわけではないが事情があって判決の確定を先延ばしにしたい等、様々な理由で控訴をお考えの方がいらっしゃると思います。

控訴すると、第1審よりも刑が重くなるかもしれないと心配される方もいらっしゃいますが、被告人のみが控訴した場合、刑事訴訟法上、不利益変更禁止というルールがあり、第1審より刑が重くなることはありませんので、控訴することをためらう必要はありません。

特に、第1審で実刑判決となった場合、弁護活動によって、控訴審では執行猶予判決となるというケースもよくありますので、控訴することの重要性を感じるところです。

日本は3審制がとられており、控訴審も第1審と同じように裁判が行われるという感覚をお持ちの方が多い印象ですが、実際は、第1審と控訴審の裁判の進め方は、大きく異なります。

例えば、第1審だと幅広く許容される、書証の提出、被告人質問や証人尋問などは、控訴審においては、限定的にしか認められません。

また、第1審であれば、否認事件や起訴件数が多い事件は、裁判が多数回行われることが通常ですが、控訴審は、否認事件であろうと、起訴件数が多い事件であろうと、基本的に第1回公判期日で結審し、第2回公判期日で判決が言い渡されます。

つまり、控訴審の裁判は、2回で終わることが多いということです。

さらに、第1審では、被告人は公判期日に出廷する義務がありますが、控訴審においては、被告人に出廷する義務はありません。

控訴審では、公判期日への出廷は、弁護人に任せ、被告人は出廷しないことを選択することもできるのです。

このように、第1審とは控訴審は大きく異なります。

以下では、控訴審の手続きの流れについて解説します。

控訴審の手続きの流れ

第1審判決後、判決日を含めて15日以内に控訴の申立てをします。

ちょうど2週間後の同じ曜日、例えば、木曜日に判決であれば、2週間後の同じ曜日である木曜日が控訴の申立期限の最終日であると考えるとわかりやすいと思います。

なお、控訴申立期限の最終日が、祝日であった場合、次の平日まで控訴申立ての最終日は延長されます。

控訴の申立てをすると、まず第1審裁判所から、控訴審の弁護人をどうするのかについて、照会が被告人宛に届きます。

もし、控訴審において依頼する私選弁護人が決まっているならば、照会に対してその旨を記載すればよいですし、資力の問題から国選弁護人を希望することもできます。

そして、控訴の申立後、第1審の裁判所から高等裁判所に訴訟記録等が送られ、高等裁判所の事件係に受け付けられます。

第1審の裁判所から高等裁判所へ訴訟記録が送られるのにかかる期間は、一概にはいえませんが、3~4週間程度、概ね1か月以内であると思われます。

そして、事件を審理する裁判部が複数ある高等裁判所においては、どの裁判部で事件を審理するかが決められます。

事件が審理する裁判部に配点されると(以下、事件を審理する裁判部のことを裁判所と記載します)、裁判所は、直ちに、控訴趣意書の提出期限を設定します。

控訴趣意書の提出期限は、30日~40日ほど先とされることが多いと思われます。

そして、控訴趣意書の提出期限日は、控訴申立人である被告人に通知されます。

また、控訴趣意書の提出期限の指定時に選任されていた弁護人にも控訴趣意書の提出期限日が通知されますが、控訴趣意書の提出期限の指定後に選任された弁護人には通知されません。

控訴審においては、控訴趣意書の作成・提出が極めて重要です。

控訴申立ての際は、第1審判決に対する不服の理由を示す必要はありません。

控訴趣意書において、不服の具体的な理由を明示することになり、控訴趣意書の記載内容をもとに、裁判所は訴訟記録を調査するでしょうし、検察官も必要であれば答弁書という形で反論します。

そして、控訴審の第1回公判期日は、控訴趣意書が提出された後に指定されることが多いです(控訴趣意書提出期限を定めると同時に控訴審の第1回公判期日を決定するという運用をしている裁判部もあります)。

控訴審の第1回公判期日は、事案にもよりますが、控訴趣意書の提出期限のおおよそ1か月後に設定されることが比較的多いです。

控訴審の公判期日に提出したい証拠があれば、公判期日の1週間程度間前をめどに、事実調べ請求書という書面にて請求するとともに、証拠の写しを裁判所に提出します。

また、被告人質問や申請したい証人がいる場合も、事実調べ請求書という書面で請求します。

そして、公判期日当日、弁護人の控訴趣意書の陳述、それに対する検察官の答弁が行われます。

その後、証拠の取調べを請求していた場合、裁判所が証拠の採否を決定し、裁判所が採用した証拠のみ取り調べられます。

前述のように、控訴審においては、証拠の採否は厳格であり、請求した証拠がほとんど採用されないということも、多々あります。

控訴審の場合、第1回の公判期日で審理が終了し、第2回公判期日で判決の宣告となることが大多数です。

控訴審の全体の審理期間ですが、控訴の申立てから判決まで、3~4か月程度となることが多いという印象です。

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ