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大麻

薬物事件のうち、大麻の取扱いに関する事件は大麻取締法にて処罰されます。

大麻取締法は、大麻取扱者以外が所持、栽培、譲り受け、譲り渡し、輸出入等を行うことを禁止する法律です。

大麻取扱者であっても目的外の利用は大麻取締法違反に問われます。

ここでは大麻を所持した場合について解説します。

大麻所持事件発生からの流れ

送検・勾留まで

大麻の所持で逮捕される典型的なケースとしては、路上を歩いている者に対して、警察官が職務質問、所持品検査を実施したところ、その者の所持品から大麻が発見され、現行犯逮捕されるといったものです。

バッグなど、自身の所持品から大麻が発見された場合、大抵の場合は、その者が自らの意思で大麻を所持していたというケースが多いでしょう。

逮捕された後、警察署に連行されて取調べを受け、送検されます。

逮捕から送検までは、最大48時間の時間制限があります。

送検されると検察官は、24時間以内に勾留が必要かどうかを判断し、勾留が必要と判断した場合、勾留請求をします。

検察官が勾留請求すると、裁判官は勾留要件を満たしているかを検討し、勾留決定か釈放を判断します。

大麻所持等の薬物事件では、検察官や裁判官が勾留の必要はないと判断することは稀です。

ですので、薬物事件においては、勾留されてしまうことを覚悟しなければなりません。

また、事案によっては、勾留中も弁護士以外との面会禁止の条件がつけられたりするなど、厳しい決定になることもあります。

勾留中は、検察官・警察官より様々な取調べが行われ、最長で20日以内に起訴か不起訴かが判断されます。

大麻所持の場合、1回の使用量にも満たない所持量であった場合や、現在は大麻に関わりのない生活を送っていたところ、過去に入手した大麻が発見された場合等、不起訴になる余地はあります。

弁護士は、大麻所持の事案の中では、処罰する必要のない軽い事案であることを主張するとともに、本人の反省、二度と大麻を入手しない・使用しないことを担保する具体的な方策、家族の監視と支えを訴え、起訴猶予処分を目指します。

起訴猶予処分を目指しつつ、起訴された場合にも備え、保釈請求の準備、執行猶予判決獲得に向けた弁護活動も行います。

起訴から裁判まで

勾留中に起訴された場合、裁判が終わるまで勾留は続きますが、保釈の請求も可能です。

保釈とは、保釈保証金を納めることを条件として、一定の制限はあるものの、身柄の拘束を解かれる制度です。

保釈請求を行うと、裁判官(裁判所)が検察官の意見も聞いた上で保釈の許否を決定します。

弁護士は、身元引受人の確保、保釈中の環境整備、更生プログラムへの参加などを訴えることで、保釈が認められる可能性が高まる弁護活動を行います。

保釈が認められた場合、裁判所が決定した保釈保証金を納めることによって、釈放されます。

大麻所持の事案で、特に前科が無い方であれば、保釈保証金の金額は150万円程度でしょう。

裁判所が定めた保釈条件に違反しない限り、裁判手続の終了後、裁判所から保釈金が返還されます。

保釈が認められれば、拘束を解かれ通常の社会生活が送れるようになるため、起訴後、保釈が認められるか否かは、極めて重要です。

保釈金が準備できなくとも、保釈保証金を支援する団体もありますので、諦めずに弁護士にご相談ください。

起訴後、2か月以内には裁判が行われることが通常です。

大麻所持を認めている事件であれば、裁判の審理は1回で終わり、2回目で判決言い渡しとなる場合が多いでしょう。

大麻所持の罪について、有罪となれば、懲役刑となりますが、執行猶予が付けば、すぐに刑務所に行くということはありません。

3年等、執行猶予期間が裁判官により定められ、執行猶予期間中に執行猶予が取り消されることが無ければ、刑務所に行かないことが最終的に確定します。

ですので、起訴後は実刑にならないための弁護活動が重要となります。

そのためには裁判官の心証が良くなるような、反省の態度と今後の具体的更生方策の提示などが重要となります。

例えば、更生施設への入所、専門の病院への通院などの再使用しないための具体策の提示、家族や周りの人の強い支え、薬物との接触をなくすための身辺整理、生活環境整備などを訴えることで、執行猶予判決の獲得を目指します。

裁判の結果、実刑となるか執行猶予が付くかで、人生が大きく変わってしまうといっても過言ではないでしょう。

できる限り、執行猶予が付く可能性を高めるために、弁護士にご相談ください。

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大麻所持罪で逮捕されたら

1 大麻に関する法規制

大麻に関する法規制としては,大麻取締法が定められています。

大麻取締法で規制対象とされている「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいうとされ,大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除くとされています。

大麻取締法は,覚せい剤取締法等と異なり,所持のみが規制され,使用が処罰対象から除かれています。

2 大麻取締法違反該当性

大麻に関しては,所持のみが規制されており,使用それ自体は処罰対象とはされていません。

そのため,大麻使用罪で逮捕されることはありません。

大麻所持は規制対象とされているため,違法に大麻を所持すると,大麻取締法違反(大麻所持罪)として逮捕されます。

大麻の使用が大麻取締法違反とされていないのは,日本では,麻の使用が広く行われており,処罰範囲を明確にできないことが理由の1つのようです。

ただ,多くの場合,大麻を使用する際には大麻を所持することになりますので,大麻の使用だけであれば合法だと単純に考えることはできません。

3 大麻取締法違反による逮捕・勾留

大麻取締法に違反した場合,逮捕される可能性が高いです。

薬物犯罪は,一般に,逮捕される可能性が非常に高い犯罪です。

逮捕された場合,48時間以内に警察から検察に送致されます。

検察に送致された後は,24時間以内に,勾留請求するかどうかが決められます。

薬物犯罪は,入手ルート等,重要な捜査項目も多く,逮捕後勾留される可能性が非常に高いです。

大麻取締法違反による勾留は,多くの場合,勾留延長請求がされるように感じます。

4 弁護士に依頼するメリット

逮捕は通常突然されますので,逮捕されたことによりパニックになってしまい,冷静に対応できなくなってしまう方も多くいます。

冷静に対応できないと,間違ったことを話してしまったり,曖昧なことを確実なことであるかのように話してしまったりするなどして,非常に不利な立場におかれてしまうことがあります。

また,どのようなことをしてよいのか,どのようなことをしてはいけないのかがわからず,捜査機関からいわれるままに行動せざるを得なくなってしまう方も多くいます。

そのようなことのないようにするために,弁護士に刑事弁護についてアドバイスをもらうことが有用です。

また,弁護士であれば,勾留前にも面会できますので,弁護士に依頼することで,外部との接点を持つことができます。

簡単な差し入れの依頼等の伝言を依頼することもできますし,勾留に対する準抗告などを依頼することもできます。

5 大麻所持罪で逮捕されたら

ご家族が名古屋で大麻所持罪で逮捕されてしまったら,速やかに刑事弁護を得意とする弁護士にご相談ください。

弁護士法人心 名古屋法律事務所には,刑事弁護を得意とする弁護士が所属しております。

また,弁護士法人心 名古屋法律事務所では,初回30分無料で刑事弁護のご相談を承っております。

JR名古屋駅,近鉄名古屋駅,名鉄名古屋駅からほど近いところに事務所がありますので,お気軽にご相談ください。

大麻所持罪の弁護活動

1 大麻所持罪の法定刑

大麻取締法では,個人使用目的で大麻を所持した場合,5年以下の懲役刑が法定刑として定められています(法24条の3第1項1号)。

営利目的で所持した場合には,7年以下の懲役刑または情状により200万円以下の罰金が併科されることがあるとされています(法24条の3第2項)。

2 大麻使用は不処罰

これらに対して,大麻を使用した行為については,処罰の対象とされていません。

これは,大麻は昔から繊維植物として栽培され,その茎等が利用されていたところ,茎等から体内に微量が入った場合については,処罰の対象から除外するためと言われています。

3 被疑者段階での弁護活動(事実関係を認めている場合)

被疑者段階では,検察官が不起訴処分をするよう働きかけをします。

覚せい剤使用・所持罪では,通常,初犯であっても起訴処分がなされますが,大麻所持罪では,統計上約3人に1人は不起訴処分となっているとも言われており,その弁護活動は重要です。

具体的には,所持していた大麻の量が少なく,悪質性が高くないこと,売人の名前や連絡先など入手経路を捜査機関に話しており,捜査に積極的に協力していること,薬物関係者らとの関係を断ち切る意思であること,及び,同種前科前歴がないことなどを具体的に主張します。

4 被疑者段階での弁護活動(事実関係を争う場合)

他方で,事実関係を争う場合には,捜査機関による捜査の適法性を問題とすることがあります。

逮捕の契機となる職務質問や所持品検査の態様,それに続く任意同行の態様や取調べの態様が違法でなかったか否かなどを注意深く確認し,少しでも疑いがあれば,迅速に抗議するなど対応しなければなりません。

5 保釈

起訴処分とされた場合は,早期の身柄釈放を目指します。

具体的には,本人やそのご家族等からのヒアリングをもとに保釈請求書を作成し,裁判所に提出します。

保釈されない場合,短くても1月は身柄拘束され続けるため,本人の社会生活への影響は極めて大きいといえます。

そのため,起訴処分される前から,あらかじめ,起訴された場合の保釈請求について協議しておくのが望ましいといえます。

6 裁判での弁護活動

裁判では,本人に有利な事情の主張立証活動を行います。

さきほど述べたとおり,事実関係を認めている事件であれば,悪質性が高くないこと,入手経路等を自ら話していること及び同種前科前歴等がないこと等を主張し,執行猶予判決の獲得を目指します。

他方,事実関係を争う場合には,無罪判決に向けて主張立証活動を行います。

7 弁護士の利用

大麻所持罪では,迅速かつ適切な弁護活動が,早期の身柄釈放につながることが多いので,早急に弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人心では,名古屋をはじめとする東海三県及び東京に事務所を構えています。

名古屋であれば,JR名古屋駅から徒歩2分のところに弁護士法人心 名古屋法律事務所があり,交通アクセスも整っておりますので,お気軽に刑事弁護についてご連絡ください。