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「詐欺」に関するお役立ち情報

特殊詐欺の種類

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年4月21日

1 特殊詐欺とは

特殊詐欺とは、一般的に、電話口で親族や公共機関等を装って、被害者を騙し、現金やキャッシュカードを騙し取る詐欺のことを言います。

詐欺グループが特殊詐欺のターゲットにするのは、高齢者が多く、実際に被害にあうのは、高齢女性のケースが多いという印象です。

2 特殊詐欺の種類

特殊詐欺の中で、オレオレ詐欺という名称は、一般的にも広く知られているのではないでしょうか。

オレオレ詐欺の典型例は、被害者宅に電話をかけ、息子や孫を装い、「会社から預かっていた現金を入れたカバンを紛失した。明日までにお金を準備しないと、会社を首になってしまう、助けて欲しい。」などと訴えて、現金を騙し取ります。

オレオレ詐欺のほかに、還付金詐欺、架空料金請求詐欺など多種多様な詐欺の手口がありますが、今回は、巧妙な手口でキャッシュカードを騙し取る詐欺について、説明します。

3 キャッシュカードすり替え型の手法(騙す手法は一例です)

詐欺グループの架け子と呼ばれる役割の者が、日本銀行協会といった信頼できそうな架空の団体の職員を名乗り、高齢者の自宅に電話をし、「あなたの預金が不正に引き出されています。不正引き出し防止のための措置を講じるため、銀行協会の職員がご自宅に向かいます。キャッシュカードと暗証番号のメモをご用意してお待ちください」等と虚偽の話をします。

そして、しばらくすると、受け子と呼ばれる役割の者が、被害者の自宅を訪れます。

この受け子は、スーツ姿で、かつ、「日本銀行協会 佐藤」などというネームプレートを胸につけている等しており、本当に日本銀行協会といった団体の職員が訪れているように仮装しています。

また、受け子は、封筒複数枚とコンビニなどの会員カード等、キャッシュカードと同じ大きさのカードを複数枚用意した上で、被害者宅を訪れます。

そして、受け子は、被害者宅の玄関先にて、被害者からキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを受け取り、用意していた封筒に入れます。

そして、受け子は、被害者に対して、「キャッシュカードを入れた封筒に封印をするために、印鑑を持ってきてください。」などと指示します。

通常、印鑑は玄関先にはないので、被害者は、部屋の中まで印鑑を取りに行きます。

被害者が印鑑を取りに行っている間に、受け子は、コンビニ等の会員カード等が入った別の封筒と被害者のキャッシュカード入りの封筒をすり替えます。

被害者が印鑑をもって戻ってきて、封筒に印を押しますが、この時の封筒の中身は、コンビニ等の会員カード等、別のカードになっています。

そして、受け子は、被害者に対して、封印をした封筒について、こちらの指示があるまで、開けてはならないと被害者に指示し、コンビニ等の会員カード等が入った封筒を被害者に渡し、被害者宅を去ります。

こうして、被害者のキャッシュカードを手にいれた受け子は、ATMにて被害者の預金を引き出します。

引き出せる預金の額は、1日50万円までといった制限がある場合も多いので、日付が変わったら、新たに預金を引き出すということを繰り返します。

4 キャッシュカードすり替え型の巧妙さ

このキャッシュカードすり替え型の特徴詐欺が巧妙なのは、被害者は、印鑑を取りにいっているわずかな時間で封筒がすり替えられていることは知らないため、キャッシュカードは被害者自身の元にあると思い込んでいる点です。

被害者は、キャッシュカードは自分の手元にあるという安心感、銀行協会の職員という一見信頼できそうな者から、封筒に封印をして開けないように指示されること等があいまって、キャッシュカードがすり替えられており、預金が連日引き出されているという被害に気付くのが遅れます。

被害者が、「預金引き出し防止のために、封筒にキャッシュカードを入れて保管させるなんておかしい」ということに自ら気づくか、親族や知人に指摘されることによって、被害が発覚しますが、気づいたときは、数百万円も引き出された後であったということも珍しくありません。

5 被害にあわないために

まず、心構えとして、自分は騙されるわけがないという考えは危険かもしれません。

数多くの特殊詐欺事件を取り扱った経験からすると、被害者の多くが、高齢者を対象とする特殊詐欺があることは、知っていたが、まさか自分が騙されるとは思わなかったとおっしゃいます。

次に、特殊詐欺は、電話や手紙という手段を用いて騙そうとしてくるところ、例えば、自分の預金が引き出されているという被害にあっている等といきなり電話で言われたら、びっくりするかもしれません。

しかし、冷静になって、親族や知人に相談したり、銀行に直接問い合わせるなどしましょう。

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