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「その他性犯罪」に関するお役立ち情報
セクハラでも逮捕される?前科を回避するための対処法
1 セクハラとは
厚生労働省は、職場におけるセクハラについて、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する「労働者」の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることと定義しています。
そして、「職場」とは、会社内以外でも、労働者が職務を遂行する場所であれば、「職場」に含まれます。
例えば、取引先の事務所、顧客の自宅、出張先、取引先と打合せするための飲食店、取材先、業務で使用する車中は「職場」に含まれます。
また、勤務時間外の宴会であっても、実質的に職務との延長と考えられるものは「職場」に該当することがあります。
男女雇用機会均等法においては、職場内でのセクハラの防止及びセクハラに対応するための必要な体制の整備をすることを事業主に求めています。
また、「労働者」には、正規労働者、パートタイム労働者、契約社員といった事業主が雇用する労働者だけではなく、派遣労働者も含まれます。
さらに、「性的な言動」とは、以下のような①性的な内容の発言、②性的な行動を指します。
① 性的な内容の発言の例
性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を流布すること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すこと等
② 性的な行動の例
性的な関係を強要すること、必要なく身体に接触すること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強制性交等
2 セクハラで成立する罰則
セクハラといえば、会社における労働上のトラブルであるといイメージが強いかもしれませんが、セクハラでも、刑事上の責任が発生する場合もあります。
以下は、セクハラにあたる行為が刑事上の犯罪にもあたる一例です。
⑴ 性犯罪
例えば、歓送迎会の帰路の路上で、被害者の胸や尻を触った場合、いわゆる痴漢行為として、各都道府県が定める迷惑防止条例違反で処罰される可能性があります。
例えば、愛知県が定める条例では、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
また、被害者に無理やりキスをするといった性的自由の侵害が強い行為に及ぶと、強制わいせつ罪として処罰される可能性があります。
強制わいせつ罪の法定刑は、6月以上10年以下の懲役刑ですので、先に述べた迷惑防止条例違反よりも、各段に重く処罰される可能性があります。
さらに、例えば、歓送迎会の後、泥酔して意識が朦朧としている被害者をホテルや自宅に連れ込んで、性交したり性交類似行為を行うと、準強制性交等罪として処罰される可能性があります。
準強制性交等罪の法定刑は、5年以上20年以下の懲役刑であり、強制わいせつ罪よりさらに重罪であり、有罪となれば、実刑となることを覚悟しなければならない犯罪です。
⑵ 名誉棄損罪
被害者は、「社内不倫している」「二股かけている」「淫乱だ」「誰とでも寝る」等、被害者の性に関する情報を会社内で掲示するまたはネット上にアップするなどした場合です。
なお、被害者が社内不倫していることが仮に事実であったとしても、被害者の社会的名誉を低下させると判断されれば、名誉棄損罪は成立しうるので注意が必要です。
名誉棄損罪の法定刑は、3年以下の懲役刑もしくは禁錮または50万円以下の罰金です。
⑶ 強要罪
部下に対して、性的な関係を要求することやデートに誘うことはもちろんのこと、部下を食事に誘うだけであっても、場合によっては、セクハラと言われかねない行為であり、慎重になるべきです。
そして、食事やデートに誘ったり、性的な関係を要求する際に、暴行、脅迫を用いた場合、強要罪が成立する可能性があります。
強要罪というのは、普段あまり聞きなれないかもしれませんが、人に義務のないことを行わせること、または、行わせようとすること等によって成立しうる犯罪です。
強要罪の法定刑は、3年以下の懲役刑です。
3 セクハラで逮捕された際の流れ
セクハラ行為が、刑事上の犯罪に該当すれば、逮捕されるリスクがあるのは、当然のことです。
逮捕されるリスクは、強制性交等罪といった重大な犯罪の方がより高いといえますが、迷惑防止条例違反に留まる事案であっても、逮捕のリスクは否定できません。
警察に逮捕されると、警察署の留置施設に身柄が拘束され、逮捕から48時間以内に検察庁に送致されます。
検察官は、検察官送致から24時間以内に、被疑者を釈放するか、裁判所に対して、勾留請求するかを判断します。
勾留請求された裁判官は、被疑者の勾留を認めるか、被疑者を釈放するかを判断します。
裁判官によって、勾留が認められた場合、検察官が勾留請求した日から10日間、警察署の留置施設に留置されます。
勾留は、延長されて20日になることもあります。
4 セクハラで逮捕された場合は示談交渉をする
セクハラ行為で逮捕された場合、被害者と示談することが非常に重要です。被害者と示談することによって、大きなメリットが2点あります。
まず、被害者と示談の成立により、早期に釈放される可能性を高めることができます。
先ほど、勾留は10日間と記載しましたが、被害者との示談の成立により、10日より前に釈放される場合があります。
また、検察官は、被疑者の最終処分を決定する際に、被害者との示談の成立を重視する傾向にありますので、被害者との示談の成立により、不起訴処分を得ることができる可能性も高まります。
不起訴となれば、前科はつきません。
なお、早期に身柄釈放となるか、不起訴となるかは、容疑の罪名によっても大きく異なりますので、詳しくは、弁護士にご相談ください。
5 セクハラの示談交渉なら弁護士法人心にお任せください
刑事罰に該当するようなセクハラ行為をしてしまった場合、被害者と示談することが重要であることは、前述のとおりです。
セクハラ行為の被害者は、被疑者にとって顔見知りであることが多く、身柄拘束されていない場合、被疑者自身が被害者と示談交渉することも可能と思われるかもしれません。
しかし、被害者は、被疑者との直接の交渉は拒否したいと考えるのが通常です。
また、刑事手続きにおいて、被害者は、犯罪事実を証言することができる重要な証拠の1つであり、被疑者自身が被害者と接触しようとすること自体、被害者の証言を歪める危険性がある行為であると捜査機関や裁判所にとらえられかねません。
ですので、被疑者という立場になった場合、被害者と直接交渉しようとすることは避け、専門家である弁護士に依頼すべきです。
弁護士法人心には、セクハラ事案に限らず、示談交渉について経験豊富な弁護士が在籍しておりますので、ぜひ、ご相談ください。
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