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起訴状一本主義
起訴状一本主義とは,公訴提起に際しては起訴状のみを提出する原則をいいます(刑事訴訟法「以下,法と略します」256条6項)。
旧法の下では,起訴状と一緒に一切の訴訟記録が裁判所に提出されていたため,裁判所はこれにより事件の内容を念頭において公判に臨んでいました。
裁判所は,公訴提起に伴い捜査機関の嫌疑を引き継ぎ,公判でその嫌疑を吟味して有罪無罪を判断していました。
しかし,捜査機関の嫌疑と裁判所の嫌疑との間に連続性が当然のようにあることは,憲法37条1項が定める「公平な裁判所」の理念に反することになります。
そこで,現行法は,裁判所が第一回期日までの間に捜査機関の嫌疑を引き継ぐことのないようにするため,起訴状一本主義を採用したのです。
起訴状一本主義により,裁判官の心証は,法廷に顕出された当事者の攻撃防御方法のみによって形成されることになり,公判中心主義が実現されることとなりました。
起訴状一本主義との関係で問題となるのが,余事記載との関係です。
起訴状に訴因を明示するには,できる限り日時・場所及び方法をもって罪となるべき事実を特定し記載しなくてはならないとされていることから(法256条3項),訴因明示の要求と起訴状一本主義の要求とをどのように調和させるかが問題となってくるわけです。
起訴状の余事記載が直ちに予断のおそれにつながるわけではありませんから,予断を抱かせるには至らない余事記載は,起訴状一本主義に反するものではなく,無効とまではいえません。
これに対し,訴因の記載が,実質的に証拠を添付または引用と同様の効果を持つといえるような場合は,起訴状一本主義の精神に照らし,違法となります。
予断を抱かせる起訴は,公平な裁判所の理念や当事者主義に抵触する重大な違法となるため公訴の無効理由となります。
すなわち,一度形成されてしまった予断は,もはや払拭することができないため,法338条4号によって公訴棄却されます。
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