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刑事事件における故意と過失とは
1 故意と過失
刑法において、故意とは、犯罪事実を認識・認容していることであると言われています。
次に、刑法において、過失とは、結果の予見可能性を前提として、結果を回避すべく適切な対応をとらなければならないという注意義務に違反する不注意を意味します。
2 故意犯処罰が原則
刑法38条1項には「罪を犯す意思がない行為は罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りではない」と定められています。
「罪を犯す意思」が故意のことであり、故意がなければ、原則として処罰されず、過失での処罰は例外であることが刑法38条1項から分かります。
例えば、窃盗罪においては、過失犯処罰の規定がないので、例えば、他人の傘だと分かってわざと持って帰れば、窃盗罪になりえますが、 自分の傘と間違えて他人の傘を持って帰っても、故意がないので、犯罪にはなりません。
また、後述のように、過失犯が処罰される場合でも、故意犯の場合と比べると、科される刑罰は大幅に軽いものとなります。
3 故意犯と過失犯の法定刑の違い
例えば、人を殺す故意、すなわち、殺意をもって他人を殺すと、殺人罪となります。
殺人罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑と定められており、非常に重い刑罰が科せられます。
過失によって人を死なせてしまった場合、過失致死罪にあたるなら50万円以下の罰金、重過失致死罪にあたるなら5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と規定されています。
同じ人の死という結果を発生させても、故意=わざと人を殺したか否かで、科される刑罰には雲泥の差があるとうことです。
4 故意があるかどうかが問題となる事例
18歳未満の児童と性交する等すると、各都道府県が定める青少年健全育成条例違反となります。
性交することの認識はあっても、相手が18歳未満であることについても認識がなければ、犯罪事実の認識があるとはいえないため、犯罪にはなりません。
出会い系サイトをきっかけに会ったりする場合、相手が年齢を偽っていることもあり、青少年健全育成条例違反の容疑をかけられたが、性交の相手が18歳未満であると知らなかったという主張はよくあります。
このような場合、実際には年齢を知っていたことを裏付ける客観的証拠が無い限り、18歳未満だと知っていたことの証明が難しく、不起訴となる事例が一定割合あるように思われます。