「逮捕・勾留」に関するお役立ち情報
緊急逮捕の要件とその他の逮捕との違い
1 逮捕とは
逮捕は、一般的には、捜査機関によって身柄を拘束されることをいい、逮捕後48時間以内に、警察から検察へ送致されます。
逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕という3種類があります。
このうち、③緊急逮捕は、名前のとおり、緊急の場合に許される逮捕の方法であり、例外的なものになります。
2 緊急逮捕の要件
逮捕は、上記のとおり、被疑者の身柄を拘束するものであり、身体の自由を強制的に奪う点で、非常に強力な措置の一つといえます。
そのため、捜査機関からの逮捕状を出すよう請求された裁判官が、逮捕状を出してよいかどうかを事前にチェックをし、逮捕状が出された場合には、捜査機関は、その逮捕状を被疑者に提示したうえで、逮捕するということが原則になっています。
緊急逮捕は、この原則の例外として、逮捕状がない場合であっても、逮捕することができる逮捕の方法であり、その要件は、以下のように、厳格に定められています。
⑴ 一定の重大犯罪であること
死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪であることが要件とされています。
たとえば、殺人罪、強盗罪、窃盗罪等が含まれます。
⑵ 罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があること
罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があることが、緊急逮捕の要件とされています。
これは、単なる疑いでは足りず、強い嫌疑が必要であるという意味です。
緊急逮捕は、通常の逮捕の例外ですので、通常逮捕の場合の相当な理由ではなく、充分な理由が要求されるのです。
⑶ 急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと
逮捕状が出されるのを待っていては、被疑者が逃げてしまう、または、証拠が隠滅されてしまうというおそれが高い、言葉のとおり緊急の状況をいいます。
3 その他の逮捕との違い
①通常逮捕は、先に述べた逮捕の原則の方法で、逮捕状を用いて行う逮捕です。
②現行犯逮捕は、捜査機関ではない私人でも行うことができる逮捕の方法で、刑事訴訟法212条に規定されています。
もし、緊急逮捕された場合に、その逮捕の方法が要件を満たした適切なものであるかどうか争いになることもあります。
勾留が延長される基準と阻止するための弁護活動 逮捕されたときの弁護士の依頼の仕方